副題は「民主主義の敗北とテック右派の時代」
カーティス・ヤーヴィンがどういった世界認識を持っているのかを知ることができた、のは良かったです。
問題認識は理解できるし、一定の共感も持てました。
が、歴史認識も思想も浅い、という印象は拭えませんでした。
印象に残った箇所
- 日本は日露戦争でロシアに勝ったことで、「東方における敵対的帝国」の役割をロシアから引き継ぐことになった
- 英米のやり方は昔から変わらない。犬を蹴り続け、ついに噛みついたところで「狂犬」だとして撃ち殺す
カテドラル(大聖堂)という概念
大学・学会、大手メディア、官僚機構などが相互に結びついている文化的・知的権威構造。
- 「大聖堂」の声は、思想市場で勝利してきた
「思想市場」という概念は興味深いと思いました。
陰謀論の文脈ではない、ディープステート(日本では一般に闇の政府と訳される)の本来のニュアンスを少し理解できました。
直訳としては「国家の深部」 選挙で選ばれていない官僚、情報機関、軍、金融・産業界のエリートで国家の底層から政治を左右している存在。一種の権力。
直訳としては「国家の深部」 選挙で選ばれていない官僚、情報機関、軍、金融・産業界のエリートで国家の底層から政治を左右している存在。一種の権力。
力への信奉を随所で感じました。
「結局のところ、我々は殺戮を行なう肉食動物だ。」は中々な表現だな、と。
ガザでもイランでも無茶苦茶やったり、それを看過するのはこういうところから来ているのかな、と。
あるいは同じ人間だと思っていないのか。
あるいは「力」が無いのが悪いと思っているのか。
「日本はいまこそ核兵器を開発すべきであり、誰も意義を唱えるべきではない」
核兵器は独立の重要な象徴、
アメリカが日本の核保有を許すなら、保有の是非を検討することは一考に値すると思う派です。
まあ、アメリカの(明示的であれ、暗黙的あれ)許可が前提になっているところが、独立とは……という感じですが。
プーチンの思想「真に主権を持っている国といえるのはP5など、ごく僅かな国だけである」に通ずるところがあります。
本のタイトルにもなっている「ネオ君主制」は国家は大統領や首相ではなく、企業のCEOのような権力構造で統治されたほうが良い、という話でした。
「ネオ君主制」の国家観をもう少し詳しく知ることができたらまた印象は変わったかもしれません。
今の民主主義が最善とは思っていないが、かといって「ネオ君主制」が今の民主主義より優れているとも思えないというか、材料不足、と感じました。
0 件のコメント:
コメントを投稿